源さんが行く170
お世話になっております、シヨウX3です。
原始謾筆風土年表(げんしまんぴつふどねんぴょう)とは
江戸時代の下北地域の政治・経済・文化を、近江出身で大畑にて商業に従事した村林家の二代目源助(通称)によってまとめられた記録です。
源さんの記録、文化元年の3回目、象潟(きさかた)大地震についてです。
文化元年(1804)の記録・其の参
象潟大地震
■六月四日、出羽の酒田で大地震が発生した。
地面が割れ、泥が湧き、家が崩れ、倉が壊れた。
たくさんの人々が水死した。
日本十二景に数えられる象潟の九十九森、八十八潟は埋まり、名所旧跡も昔話になってしまった。
鶴岡の善宝寺の港にも土砂が溢れ、川上にも幾つもの堰止湖ができたという。
資料「日本全史」
出羽で大地震~象潟湖が一晩で消える~
六月四日午後十時頃、由利郡象潟付近を震源とする激しい地震が起こった。
数百もの雷が落ちるような音を合図に始まった地震は大波のうねりのように上下に揺れ、誰もが経験したことのないものであった。
夜間のため逃げようにも歩くこともままならず、多くの人が寝たまま家屋の下敷きとなった。
地面は大きく地割れし、硫黄の匂いのする砂混じりの水が、高い所では九十㌢も吹き上げた。
午後十一時過ぎには雨も降り出し、山鳴りや余震も止まず、人々を不安に陥れた。
さらに地盤の隆起により鳥海山の北西ふもと、日本海に臨む南北五㌔、東西十五㌔の風光明媚な潟、大小の島々が点在し西の松島と呼ばれた象潟湖を一晩で消滅させた。
地震による被害は本荘から鶴岡までの広範囲に及び、死者四百人、全壊家屋八千戸にのぼるとみられる。
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