こめいがねんど

むつ市大畑町と東津軽郡蓬田村から青森県の歴史や記録を紹介する歴史探求ブログ

源さんが行く118

 

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どうも、しょうさんの息子のゲンです。

 

 原始謾筆風土年表(げんしまんぴつふどねんぴょう)とは

  江戸時代の下北地域の政治・経済・文化を、近江出身で大畑にて商業に従事した村林家の二代目源助(通称)によってまとめられた記録です。

 

幕府の東蝦夷地直轄の影響を受けた大畑の記録8です。

 

寛政十一年(1799)の記録・其の八

 

建屋は善甫路*1へ一棟、昆布牟威*2へ一棟。

漁具や桧皮(ひわだ)、柏の皮などを奇異田府*3まで運送するのは川内の定吉で六百石、十三人半乗り*4

水夫たちにはそれぞれ四両、運賃の百両と合わせて合計百五十四両である。

悪消*5までは二割減の百四十六両三歩。

戻り荷の場合は一艘へ三十両

 

また、建屋を糸沈倍*6へ一棟、穏根別*7へ一棟を運ぶのは蛇浦の吉松船で三百石、九人半乗り。運賃七十両、水夫の給金とで総計で百八両。

 

野津蹶*8へは建屋一棟と職人・稼ぎ方を乗せて、湊の(堺)甚兵衛船二百三十石、七人半乗り。運賃五十六両、水夫の給金とで合計八十六両。戻り荷は運賃の三割増し。

 

荷積み、川浮きは四月十七日。右の三艘には鶏五番*9をそれぞれの請負場所へと積み込んで行った。

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へつづく

 

 

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*1:おぼろ=尾幌

*2:こんぶむい=昆布森

*3:きいたっぷ=霧多布

*4:半人前に数えるのは飯炊き少年?

*5:あっけし=厚岸

*6:しべつ=標津

*7:おんねべつ=遠音別?

*8:のつけ=野付半島

*9:つがい=雄雌十匹