こめいがねんど

むつ市大畑町と東津軽郡蓬田村の歴史や文化、たまに趣味のねんど作品を紹介する雑記ブログ

源さんが行く108

 

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どうも、しょうさんの息子のゲンです。

 

 原始謾筆風土年表(げんしまんぴつふどねんぴょう)とは

  江戸時代の下北地域の政治・経済・文化を、近江出身で大畑にて商業に従事した村林家の二代目源助(通称)によってまとめられた記録です。

 

源さんによる幕府の東蝦夷地直轄記録(6)になります。

 

寛政十一年(1799)の記録・東蝦夷地が幕府直轄地(上知)と決定・其の六

■されば、豪富の夷人、妾を十五、六人所々に抱え置き、貧窮の夷人は生涯娶ることなく、姦淫やむことなし。

妾を多く抱えし夷人、妾の宅へ至りぬれば、奸夫の始末、白地に語り告げれば、姦淫を犯せる夷人の罪糺し、償いと名づけ所持の最上の品を数多く奪い取るゆえ、富夷は倍豊かに、貧夷はいよいよ貧しくなりゆく。

教えもあらねば、戎蛮の風俗と言いながら、甚だしき悪風儀。

これらのことも悉く矯めし改め、ただ一人にて妾を多く抱え置いては夷人の増える術にあらじとの御真意なるよし。

(意訳)ところで、金持ちのアイヌは妻を十五、六人あちこちに持ち、貧乏なアイヌは生涯妻をめとることなく、不倫の問題もしばしば発生する。

妻をたくさん持つアイヌは、真男の始末について日頃から若い妻に言い含め、事実を告げると真男したアイヌのもとに押しかけ、償いと称してその男の持つ財産を奪い取るため、金持ちはさらに金持ちに、貧乏人はさらに貧乏になるという。

こうした野蛮な風習はことごとく改めさせなければならない。

一夫多妻では、アイヌの人口も増えない。

それも、幕府の政策の真意の一つである。

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場所は一方ずつ預かりの上、教化を施し、早く帰従有らん場所の用司人は勲功軽からず。帰府に至りて褒賞行われるべきよし。

さるにや風儀を改めたる夷人へは米八斗入り三十俵、酒一升入り十樽を給ひて賞せんのよし。

蝦夷地には畑と申すも作る。されば、農具を配り耕作の道も教えて、菜種・大根・稗・麦・麻等の実を渡し。

蝦夷の方言、この方にて唱えることを制し。夷人に徐々とこの方の言葉を唱えさせんのよし。

我が国はじめ、津軽、何国よりにても蝦夷地へ引き移り移住の族には、それぞれに御見継あるべく。殊には機道具、糸車等も渡し。蝦夷地稼ぎ方に雇われし者には米一升・味噌・塩も添え八両の給金にて、一ヶ年十二両準に及びし。煙草は自分持ちにて。

金穿つ人多く召し連ねしを利益のためになせる事にも察すべくも、さにあらず。

例えば万金を費やし百金を得んをも。

近年、金は払底ゆえに宝財を殖やす理にて、いささか仁政の端にもなるべく。

殊には志礼登古から斜里を経て宗谷までの中に三十里ほど、ことごとく険隘にして陸の往来及びがたき。

舟行の場所、金穿つの手にして岩道切り貫き、住還容易なからしめんとの事なるよし。

(意訳)請負場所は一つずつ幕府が預かり、蝦夷人の教化に早急に取り組み、服従させた役人達には江戸に戻ってから褒賞が与えられるらしい。

そして、服従した蝦夷人には米八斗入りを三十俵、酒一升入り十樽を与える。

蝦夷地の奥地には畑を作るための農具を配り、耕作の方法を教え、菜種や大根、稗、麦、麻等の種も与える。

アイヌ語を和人が使用することは禁止し、蝦夷人には徐々に日本語を教えて使用させる。

南部、津軽藩などから蝦夷地に渡って居住する者には見継の金品を与え、機織り機や糸車を与えて指導させる。

蝦夷地への出稼ぎ者には、米一升と味噌、塩を与えた上に八両の給金。一年間の稼ぎの総額は十二両に値する。煙草は自分持ち。

金鉱山の人夫を多数募集。これらにより幕府の収入が増えるのかと推察したが、そうではないようだ。

万金を費やして百金を得るだけである。

近年、金が底をついているので、金を確保したいというのは道理で、それが多少の仁政にはつながるということなのか。

知床から斜里、宗谷の途中は三十里(百㌔余)ほどは狭く険しい崖道である。

陸路では行くことができず、船でしか行けなかった。

金掘り人夫達にこの岩道を切り開かせ、たやすく往復出来る道を築かせようとの意図らしい。

 

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 へつづく

 

 

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